ご挨拶

一般社団法人日本乾癬学会
理事長 森田明理(もりた あきみち)
(名古屋市立大学大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科学)

この度、2022年度から、一般社団法人日本乾癬学会の理事長を務めさせていただくことになりました。それに伴い、名古屋市立大学が乾癬学会事務局を担当いたします。

一般社団法人日本乾癬学会は1986年に日本乾癬研究会として発足し、1990年から現在の名称となりました。本学会は「乾癬」という1つの疾患を対象としながらも、近年近縁疾患の発表も増えて、益々大きな学会となっています。2022年では、第37回日本乾癬学会では第32回脊椎関節炎学会との連続開催を行い、共同シンポジウムの開催も予定されています。他の学会や診療科との連携も進んできました。

私自身は、名古屋市立大学皮膚科の伝統である光線療法について、光線療法の基盤となる技術開発やメカニズムの解析を行い、現在では広く受け入れられている「病因となる細胞にアポトーシスを引き起こすことが紫外線療法の基本的な奏功機序であること」を発見し、現在まで、波長ごとの特性を用いた光線療法の開発をライフワークとして研究、臨床を行っております。1998年から光線専門外来を担当し、PUVAバス療法、311nmナローバンドUVB、308nmエキシマライト、さらにはUVA1-LEDの乾癬治療に最適な照射プロトコール設定を行ってきました。

本学会の目的は、「乾癬の病因の究明、治療方法の開発及び日本における乾癬患者の全国的疫学調査を行い、乾癬に関する教育並びに医療の向上に貢献すること」です。また年1回の乾癬学会学術大会開催、乾癬患者の登録や疫学調査などを大きな事業として、目的を達成するようにしています。乾癬に悩む患者さんの治療やQOLの改善に直接、間接につながることを望んでいます。そのため、乾癬に関わる様々な職種の方が密接なコミュニケーションをとりながら進めていくことが重要であり、乾癬学会がその中心となって活動できるようにしたいと考えております。乾癬の病態は、生物学的製剤などの薬剤の開発ととも明らかになり、さらには分子標的医薬品の開発も進められ、乾癬皮疹のみだけではなく、乾癬に伴う併存症の改善やさらには、長期間の寛解をえるためにはどのような治療戦略が必要か、いずれはドラッグフリーを目指した治療がかなうことを期待したいと思います。

我らの乾癬BigBoss・大槻マミ太郎先生(自治医科大学)のあとを引き継ぐのは、あまりの緊張ではありますが、今までの他の学会での経験も生かして、新理事長として引き継ぎ、事務局として本学会の発展に貢献したいと考えております。

皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

令和4年4月1日